【アパレル業界向けブログ】The Blog from Apalog

ファッションは特別なところに連れて行ってくれるもの

ファッションは特別なところに連れて行ってくれるもの

    半年ぶりの更新となってしまいました。こちらのブログは新しい発見や感動したことを書くことをコンセプトとしてきましたが、いろいろと考えているうちにこんなにも時間が経ってしまい、自分でもびっくりです。   今回は、本当に楽しい時間を過ごしたので、皆様と共有したいと思います。それは、テクノの帝王と呼ばれるエレクトロニック・ミュージシャン、リッチー・ホウティンの話を聞いたこと。     プラダの世界巡回型ミュージックイベント「PRADA EXTENDS」の記者会見の中で彼は、ファッションと音楽の共通の「特別な場所に連れていくもの」とし、ファッションを着た時や音楽を聞いた時に体験する刺激を共通点としてあげていました。長らくトップを走り続けている同年代の彼のその言葉はとても感動しました。   パンデミック中はファッションの存在意義や功罪を考えることが多く、ポジティブになることが難しいことが少なかったように思います。ただ、この言葉を聞いて、やはりファッションの仕事を続けたいと思った次第です。一人でも多くの人を「特別な場所に連れて行ける」よう尽力したいと思います。       リッチー・ホウティン   こちらに私の取材記事が掲載されています。よろしければご一読ください。 https://apparel-web.com/pickup/334542

ファッションは特別なところに連れて行ってくれるもの

    半年ぶりの更新となってしまいました。こちらのブログは新しい発見や感動したことを書くことをコンセプトとしてきましたが、いろいろと考えているうちにこんなにも時間が経ってしまい、自分でもびっくりです。   今回は、本当に楽しい時間を過ごしたので、皆様と共有したいと思います。それは、テクノの帝王と呼ばれるエレクトロニック・ミュージシャン、リッチー・ホウティンの話を聞いたこと。     プラダの世界巡回型ミュージックイベント「PRADA EXTENDS」の記者会見の中で彼は、ファッションと音楽の共通の「特別な場所に連れていくもの」とし、ファッションを着た時や音楽を聞いた時に体験する刺激を共通点としてあげていました。長らくトップを走り続けている同年代の彼のその言葉はとても感動しました。   パンデミック中はファッションの存在意義や功罪を考えることが多く、ポジティブになることが難しいことが少なかったように思います。ただ、この言葉を聞いて、やはりファッションの仕事を続けたいと思った次第です。一人でも多くの人を「特別な場所に連れて行ける」よう尽力したいと思います。       リッチー・ホウティン   こちらに私の取材記事が掲載されています。よろしければご一読ください。 https://apparel-web.com/pickup/334542

三原ポリスも登場 メゾンミハラヤスヒロが浅草の商店街でショー

三原ポリスも登場 メゾンミハラヤスヒロが浅草の商店街でショー

      昨晩、パリコレオンラインプラットフォームで公開になった「メゾンミハラヤスヒロ」の2022秋冬コレクション。ムービーの中にある商店街でのショーは、浅草のすしや通り商店街で撮影したもの。   このショーは招待客限定で、商店街協力のもと1月17日の夕方に開催されました。私が会場に着く頃にはすでにゲストがスタンバイ。そのゲストに、メイドさんや芸者さんが商店街のケータリングをサービスして、それぞれの商店を宣伝するという取り組みをしていました。     ゲストが、商店街グルメをつまみながら待っていると、ショーが始まりました。アメカジ、ミリタリー、ヴィンテージをミックス、リデザインしたルックが次々と登場。中にはアップサイクルした新ライン「Modified(モディファイド)」も。     ショーの中盤になると、警官が商店街を怪訝な表情で横切ります。「近所から苦情が来て警官が来たのかな?」と眺めていると、警官がモデルたちを止めてパトカーが到着。「もしかして中止?」と思ったところに、なんと三原康裕デザイナーが警官姿で登場し、ゲストは大爆笑です。その後も三原ポリスは、交通整理をしたり、踊ったり、ゲストの中で知人を見つけるとモデルと一緒に歩かせたり、大活躍。     そして、伴奏は「男はつらいよ」「蒲田行進曲」という東京の庶民文化を象徴するマーチに変わり、楽団も行進し、大団円。なかなか帰らないゲストに向かって、三原ポリスは「お願い、もう帰って」と言ってお開きとなりました。     以前、三原デザイナーと話をした時に、「ショーはあくまで余興、皆が楽しんでくれればいい」と言っていたことを思い出します。工事現場の警備員に扮した2018秋冬コレクションショー以来となる同ブランドの東京でのフィジカルショー。ゲストも商店街の人々も元気にしました。

三原ポリスも登場 メゾンミハラヤスヒロが浅草の商店街でショー

      昨晩、パリコレオンラインプラットフォームで公開になった「メゾンミハラヤスヒロ」の2022秋冬コレクション。ムービーの中にある商店街でのショーは、浅草のすしや通り商店街で撮影したもの。   このショーは招待客限定で、商店街協力のもと1月17日の夕方に開催されました。私が会場に着く頃にはすでにゲストがスタンバイ。そのゲストに、メイドさんや芸者さんが商店街のケータリングをサービスして、それぞれの商店を宣伝するという取り組みをしていました。     ゲストが、商店街グルメをつまみながら待っていると、ショーが始まりました。アメカジ、ミリタリー、ヴィンテージをミックス、リデザインしたルックが次々と登場。中にはアップサイクルした新ライン「Modified(モディファイド)」も。     ショーの中盤になると、警官が商店街を怪訝な表情で横切ります。「近所から苦情が来て警官が来たのかな?」と眺めていると、警官がモデルたちを止めてパトカーが到着。「もしかして中止?」と思ったところに、なんと三原康裕デザイナーが警官姿で登場し、ゲストは大爆笑です。その後も三原ポリスは、交通整理をしたり、踊ったり、ゲストの中で知人を見つけるとモデルと一緒に歩かせたり、大活躍。     そして、伴奏は「男はつらいよ」「蒲田行進曲」という東京の庶民文化を象徴するマーチに変わり、楽団も行進し、大団円。なかなか帰らないゲストに向かって、三原ポリスは「お願い、もう帰って」と言ってお開きとなりました。     以前、三原デザイナーと話をした時に、「ショーはあくまで余興、皆が楽しんでくれればいい」と言っていたことを思い出します。工事現場の警備員に扮した2018秋冬コレクションショー以来となる同ブランドの東京でのフィジカルショー。ゲストも商店街の人々も元気にしました。

パリメンズの日本人デザイナー 今シーズンは東京の名所で発表

パリメンズの日本人デザイナー 今シーズンは東京の名所で発表

    いま欧州メンズコレクションが行われており、日本時間18日夜からパリメンズがスタートしました。 パリメンズは日本のデザイナーのショーが多く、日本のメンズデザイナーが世界に羽ばたくための不可欠なプラットフォームとなっています。 ただ、コロナ禍により現地でショーが行う事がほとんどできず、今シーズンこそはと思ってところ、オミクロン株による感染再拡大。日本のデザイナーはムービーを配信したり、東京でショーをして配信したりしています。 今シーズンは、パリコレの協会側が「フィジカルでショーをしないとパリメンズの公式スケジュールには入れない」という方針を打ち出したとされていましたが、この状況で軟化。その結果として、ほとんどの日本人デザイナーが日本からコレクションを発表しています。       東京や日本の名所でショーを行うデザイナーが多いのが今シーズンの特徴。本日未明にコレクションを発表した「キディル」は、音羽御殿として知られる鳩山会館でショーを行いました。 日本の政財界の舞台となったお屋敷で、アバンギャルドな「キディル」のショー。東京の伝統と革新を対比させるショーでした。発表したコレクションは、同ブランドが持ち味であるパンクをベースに、ヴィンテージ、ワーク、ジェンダーフリー、プリミティブ要素を融合。また「ルルムウ」とコラボし、フェミニンでファンシーな要素を入れ込みました。 トレンド要素や異なる世界観を入れ込みながらも一体化しているあたり、フュージョンテックニックの進化をしっかりと感じました。 「キディル」は、コロナ直前にパリメンズでランウェイショーを開始。勢いをつけ、その後もパリでコレクションを発表する予定でした。国内セールスは順調ですが、コロナがなければ世界で今とは違うストーリーを描けたでしょう。     コストやリスクの削減という点では、ホームタウンから世界的なプラットフォームを活用してデジタルで配信するのがスマートだとは思いますが、世界でのセールスを見据えたデザイナーたちからすると無念なのだと思います

パリメンズの日本人デザイナー 今シーズンは東京の名所で発表

    いま欧州メンズコレクションが行われており、日本時間18日夜からパリメンズがスタートしました。 パリメンズは日本のデザイナーのショーが多く、日本のメンズデザイナーが世界に羽ばたくための不可欠なプラットフォームとなっています。 ただ、コロナ禍により現地でショーが行う事がほとんどできず、今シーズンこそはと思ってところ、オミクロン株による感染再拡大。日本のデザイナーはムービーを配信したり、東京でショーをして配信したりしています。 今シーズンは、パリコレの協会側が「フィジカルでショーをしないとパリメンズの公式スケジュールには入れない」という方針を打ち出したとされていましたが、この状況で軟化。その結果として、ほとんどの日本人デザイナーが日本からコレクションを発表しています。       東京や日本の名所でショーを行うデザイナーが多いのが今シーズンの特徴。本日未明にコレクションを発表した「キディル」は、音羽御殿として知られる鳩山会館でショーを行いました。 日本の政財界の舞台となったお屋敷で、アバンギャルドな「キディル」のショー。東京の伝統と革新を対比させるショーでした。発表したコレクションは、同ブランドが持ち味であるパンクをベースに、ヴィンテージ、ワーク、ジェンダーフリー、プリミティブ要素を融合。また「ルルムウ」とコラボし、フェミニンでファンシーな要素を入れ込みました。 トレンド要素や異なる世界観を入れ込みながらも一体化しているあたり、フュージョンテックニックの進化をしっかりと感じました。 「キディル」は、コロナ直前にパリメンズでランウェイショーを開始。勢いをつけ、その後もパリでコレクションを発表する予定でした。国内セールスは順調ですが、コロナがなければ世界で今とは違うストーリーを描けたでしょう。     コストやリスクの削減という点では、ホームタウンから世界的なプラットフォームを活用してデジタルで配信するのがスマートだとは思いますが、世界でのセールスを見据えたデザイナーたちからすると無念なのだと思います

2021年行って勉強になった店5選

2021年行って勉強になった店5選

      2021年も今日で終わり。今年もコロナ禍による行動制限を受けた年でしたが、コロナ2年目ということもあり、小売においても新たな取り組みが見られました。 今年の締めくくりに私が訪れた店の中で、勉強になった店を5つあげたいと思います。どれも新たなチャレンジをしている店です。チャレンジなので、中には失敗している部分もあります。テーマやコンセプトは良いけどオペレーションでは残念だったり、完成度が今一つだったりしますが、それが勉強になるのでしょう。 つまり「やろうとしていることは時流にあっているけど、収益・顧客満足的に課題あり」という店が、ヒントになったりするのが今ではないでしょうか?       鹿猿狐ビルヂング     奈良市の観光ゾーン、ならまちにある大型コンセプトストアで、中川政七商店の旗艦店。創業の地で新たなチャレンジをしています。主力業態の生活雑貨を軸に、飲食、アート、コワーキングスペースを複合しています。 名前の「鹿」は奈良公園の鹿、「猿」はインショップで入っている猿田彦珈琲、「狐」もインショップで入っている創作和食店の「㐂つね」から取っているのでしょう。創業の地を盛り上げる地域密着と素心、万博によって増える近畿観光客への上質なアプローチ、古民家と和モダンの真新しいビルのハイブリッドなどヒントをたくさん感じます。 ただ、ここの課題は「㐂つね」。有名店のプロデュースで行っており、すき焼きやキツネうどんを新解釈したメニューが売りです。ただ、メニューの格とサービスの格の釣り合いが取れていないのが残念。同社の商品は駅ビルグレードですが、このレストランはそれより遙かに上のグレード。主力業態グレードより上グレードの新業態をやることの難しさを感じさせました。     松山三越     長らくポジティブな話題がなかった地方百貨店のチャレンジモデルとして勉強になる店です。愛媛・松山は、郊外への商業シフトがますます進み中心街の空洞化が見られる街です。今から10年前には、商店街にセレクトショップや雑貨店なども見られましたが、それが空き店舗になっていたり夜系飲食店に変わっています。同店はその商店街の終点とも言える場所にあり、市電や郊外電車の拠点というターミナル立地に位置する高島屋の後塵を長らく拝し、安売りばかりしている百貨店というイメージでした。 それをリニューアルして今年の12月にグランドオープンしました。テナント売場を増やしたいわゆる「ハイブリッド百貨店」です。婦人服・紳士服を大幅に圧縮。1階には、上質なお土産店と地元由来の飲食店を集結したフードホールを入れ、上層階には高価格な小規模ホテルを入れました。売場にウェルネステーマフロアも設けています。 「サードプレイス的アプローチ」「地元の魅力をアップスケールして観光客へ訴求」「シニア層に向けたエイジフリー&ウェルネス提案」「デジタルを使用したお取り寄せサービス」など国内外の百貨店が取り組んできた改革事例を凝縮したかのような取り組みです。このロケーションでこのような取り組みをすることはとても素晴らしいと思います。 ただ、立地のパワーからみると力不相応なコンセプトであることは否めないでしょう。今後観光客が戻ることを睨んでいるのでしょうが、その前に地元や広域商圏の生活者にリピートできるよう基礎体力を上げて欲しいところです。   阪神百貨店本店     大衆百貨店のモデル店が、食を中心としたライフスタイル百貨店として生まれ変わりました。これまで圧倒的支持を集めてきたデパ地下やイートインに加え、パンを中心とした食フロアを1階に、バルなどの飲酒系業態を集めたフロアを地下に、モダンなフードホールを上層階に開発。これまでは散漫だった衣や住はウェルネスをテーマにまとめています。 四方に広がり・拡散している梅田の商業環境を睨み、阪神電車利用客に密着、他商業施設とのモチベーション差異化を図っています。ここでの課題はやはりファッションフロア。同店は梅田のファッションの買い回り動線から考えると、分断した立地にあります。そこでファッションの売上をとっていくには、同店のファッションフロアが目的地になる必要がありますが、ブランド構成を見ると弱さを感じます。食の客層との買い回りを期待しているのかとも思いますが、客層が乖離しているのが気になるところです。...

2021年行って勉強になった店5選

      2021年も今日で終わり。今年もコロナ禍による行動制限を受けた年でしたが、コロナ2年目ということもあり、小売においても新たな取り組みが見られました。 今年の締めくくりに私が訪れた店の中で、勉強になった店を5つあげたいと思います。どれも新たなチャレンジをしている店です。チャレンジなので、中には失敗している部分もあります。テーマやコンセプトは良いけどオペレーションでは残念だったり、完成度が今一つだったりしますが、それが勉強になるのでしょう。 つまり「やろうとしていることは時流にあっているけど、収益・顧客満足的に課題あり」という店が、ヒントになったりするのが今ではないでしょうか?       鹿猿狐ビルヂング     奈良市の観光ゾーン、ならまちにある大型コンセプトストアで、中川政七商店の旗艦店。創業の地で新たなチャレンジをしています。主力業態の生活雑貨を軸に、飲食、アート、コワーキングスペースを複合しています。 名前の「鹿」は奈良公園の鹿、「猿」はインショップで入っている猿田彦珈琲、「狐」もインショップで入っている創作和食店の「㐂つね」から取っているのでしょう。創業の地を盛り上げる地域密着と素心、万博によって増える近畿観光客への上質なアプローチ、古民家と和モダンの真新しいビルのハイブリッドなどヒントをたくさん感じます。 ただ、ここの課題は「㐂つね」。有名店のプロデュースで行っており、すき焼きやキツネうどんを新解釈したメニューが売りです。ただ、メニューの格とサービスの格の釣り合いが取れていないのが残念。同社の商品は駅ビルグレードですが、このレストランはそれより遙かに上のグレード。主力業態グレードより上グレードの新業態をやることの難しさを感じさせました。     松山三越     長らくポジティブな話題がなかった地方百貨店のチャレンジモデルとして勉強になる店です。愛媛・松山は、郊外への商業シフトがますます進み中心街の空洞化が見られる街です。今から10年前には、商店街にセレクトショップや雑貨店なども見られましたが、それが空き店舗になっていたり夜系飲食店に変わっています。同店はその商店街の終点とも言える場所にあり、市電や郊外電車の拠点というターミナル立地に位置する高島屋の後塵を長らく拝し、安売りばかりしている百貨店というイメージでした。 それをリニューアルして今年の12月にグランドオープンしました。テナント売場を増やしたいわゆる「ハイブリッド百貨店」です。婦人服・紳士服を大幅に圧縮。1階には、上質なお土産店と地元由来の飲食店を集結したフードホールを入れ、上層階には高価格な小規模ホテルを入れました。売場にウェルネステーマフロアも設けています。 「サードプレイス的アプローチ」「地元の魅力をアップスケールして観光客へ訴求」「シニア層に向けたエイジフリー&ウェルネス提案」「デジタルを使用したお取り寄せサービス」など国内外の百貨店が取り組んできた改革事例を凝縮したかのような取り組みです。このロケーションでこのような取り組みをすることはとても素晴らしいと思います。 ただ、立地のパワーからみると力不相応なコンセプトであることは否めないでしょう。今後観光客が戻ることを睨んでいるのでしょうが、その前に地元や広域商圏の生活者にリピートできるよう基礎体力を上げて欲しいところです。   阪神百貨店本店     大衆百貨店のモデル店が、食を中心としたライフスタイル百貨店として生まれ変わりました。これまで圧倒的支持を集めてきたデパ地下やイートインに加え、パンを中心とした食フロアを1階に、バルなどの飲酒系業態を集めたフロアを地下に、モダンなフードホールを上層階に開発。これまでは散漫だった衣や住はウェルネスをテーマにまとめています。 四方に広がり・拡散している梅田の商業環境を睨み、阪神電車利用客に密着、他商業施設とのモチベーション差異化を図っています。ここでの課題はやはりファッションフロア。同店は梅田のファッションの買い回り動線から考えると、分断した立地にあります。そこでファッションの売上をとっていくには、同店のファッションフロアが目的地になる必要がありますが、ブランド構成を見ると弱さを感じます。食の客層との買い回りを期待しているのかとも思いますが、客層が乖離しているのが気になるところです。...